2024年の高年齢者・障害者雇用状況報告の集計結果が公表されました

一定規模以上の企業に義務付けられている高齢者・障害者の雇用状況報告(2024年6月1日時点)の集計結果に基づき、現状と今後の対応について解説します。

高齢者の雇用状況

  • 65歳までの雇用確保措置: 99.9%の企業が実施。内訳は定年廃止3.9%、定年引上げ28.7%(+1.8pt)、継続雇用制度導入67.4%(-1.8pt)。継続雇用制度のうち、希望者全員対象は86.2%(+1.6pt)。
  • 70歳までの就業確保措置(努力義務): 31.9%の企業が実施(+2.2pt)。措置内容は定年廃止3.9%、定年引上げ2.4%(+0.1pt)、継続雇用制度導入25.6%(+2.1pt)。
  • 定年制の状況: 65歳以上を定年とする企業は32.6%。60歳定年の企業が減少し、高年齢定年の企業が増加傾向。
  • 今後の対応: 高齢従業員の増加に伴い、労働災害防止のための職場環境改善が重要。「高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン」に基づいた対応が求められる。

障害者の雇用状況

  • 雇用状況: 雇用者数は過去最高の677,461.5人(+5.5%)、実雇用率は2.41%(過去最高)。精神障害者の伸びが顕著(+15.7%)。
  • 法定雇用率達成状況: 達成企業の割合は46.0%(-)。2024年4月の法定雇用率引き上げ(2.3%→2.5%)が影響。未達成企業は64.1%で、うち57.6%が障害者雇用ゼロ。
  • 企業規模・産業別状況: 常用従業員40~43.5人未満の企業の実雇用率は2.10%。従来からの報告対象企業は全規模で雇用者数・実雇用率ともに増加。1000人以上企業の実雇用率は法定雇用率超え(2.64%)。産業別では医療・福祉業の実雇用率が高い(3.19%)。
  • 特例子会社: 614社(+16社)、雇用者数50,290.5人(増加)。
  • 雇用メリット: 人材確保、生産性向上、社内コミュニケーション活性化などが期待できる。
  • 今後の対応: 2026年7月に法定雇用率が2.7%に引き上げられ、雇用義務対象が37.5人以上の企業に拡大予定。最新の法令に基づいた適切な対応と、従業員が安心して働ける職場づくりが求められる。

企業は今後、高齢者・障害者双方にとって働きやすい環境整備と、法改正への対応が求められます。