2025年4月、キャリアアップ助成金や両立支援等助成金の改正が行われました。

キャリアアップ助成金

キャリアアップ助成金は、非正規雇用労働者のキャリアアップを促進する企業に支給されます。

正社員化コース

有期契約労働者等を正社員に転換した場合に支給されます。

支給額の変更:

  • 重点支援対象者(入社3年以上の有期契約労働者、特定の条件を満たす入社3年未満の有期契約労働者、派遣労働者、母子家庭の母等、特定の訓練修了者)を正社員化した場合、改正前の支給額が維持されます。
  • 重点支援対象者以外を正社員化した場合、支給額は重点支援対象者の半額となり、1期のみの支給となります。
  • 派遣労働者や母子家庭の母等への加算がなくなりました。

支給対象者の範囲の変更:

入社1年未満の新規学卒者は支給対象から除外されます。

賃金規定等改定コース

有期契約労働者等の基本給の賃金規定等を3%以上増額改定し、適用させた企業に支給されます。

  • 賃上げ率が6%以上の場合は支給額が増額、3%以上4%未満の場合は減額されます。
  • 有期契約労働者等の昇給制度を新設した場合に加算されます。

キャリアアップ計画書の取扱い

2025年4月からは、事前に都道府県労働局長の認定を受ける必要がなくなり、各コースの実施日の前日までに提出すればよくなりました。


両立支援等助成金

両立支援等助成金は、育児・介護など家庭と仕事を両立できる職場環境づくりを支援するための助成金です。

介護離職防止支援コース

従業員の介護と仕事の両立をサポートした中小企業に支給されます。

介護休業:

  • 介護支援プランを作成し、従業員が連続5日以上の介護休業を取得・職場復帰した場合に支給されます。
  • 連続5日~14日の介護休業取得後の職場復帰では支給額が減額(40万円)されますが、連続15日以上の場合は60万円が維持されます。

介護両立支援制度:

  • 仕事と介護を両立するための制度を導入し、利用があった場合に支給されます。
  • 導入する制度の数や、制度の利用期間(60日以上利用で増額)によって支給額が変わります。

業務代替支援:

  • 介護休業や短時間勤務を行う従業員の業務を代替する体制を整備した場合に独立した種別として支給されます。介護休業が連続15日以上の場合に支給額が増加します。

環境整備加算:

介護離職防止支援に関する雇用環境整備を4つすべて行った場合に10万円が加算されます。

不妊治療及び女性の健康課題対応両立支援コース

2025年4月から新設され、不妊治療だけでなく、月経、PMS、更年期などの女性の健康課題に対応できる職場環境の整備や相談対応を行い、従業員が制度を利用した場合に中小企業に支給されます。


2025年4月からは、上記以外にも特定の求職者雇用開発助成金、人材開発支援助成金、働き方改革推進支援助成金など、多くの助成金で改正が行われています。申請の際は、改正前と改正後のどちらの支給要件が適用されるかを確認することが重要です。