厚生労働大臣が、仕事と育児の両立支援に積極的に取り組む企業を「子育てサポート企業」として認定する制度がくるみん認定制度です。2025年4月の次世代育成支援対策推進法改正に伴い、認定基準が改正されました。
認定の種類と特徴:
- くるみん: 一定の基準を満たした企業が対象。行動計画の策定・実施ごとに何度でも申請可能。
- トライくるみん: 2022年4月に新設。従来のくるみん認定基準を引き継ぎ、3種類の中で最も基準が低く取り組みやすい。何度でも申請可能。
- プラチナくるみん: くるみんまたはトライくるみん認定を受けた企業が、より高い水準の取り組みを実施した場合に申請可能。「優良な子育てサポート企業」として認定される。
認定を受けるメリット:
- 「子育てサポート企業」としての信頼性向上、企業イメージアップ
- 優秀な人材の確保や定着促進
- 従業員のモチベーション向上
- くるみんマーク等の使用による広報効果
認定を受ける際の注意点:
- 約10項目の認定基準を満たす雇用環境の整備が必要
- プラチナくるみんは、くるみんまたはトライくるみん認定が前提
- 雇用環境整備により、一部従業員に負担が生じる可能性への配慮が必要
認定までの流れ:
1. 各種状況の把握: 仕事と育児の両立に関する課題や従業員のニーズを把握(従業員101人以上の企業は育児休業等の取得状況や労働時間の状況の把握が義務)。
2. 行動計画を策定: 計画期間、目標、対策内容・実施時期を具体的に設定(従業員101人以上の企業は数値目標設定が義務)。
3. 行動計画を公表・周知: 社内外に公表し、従業員に周知。
4. 行動計画策定届を提出: 都道府県労働局へ届け出。
5. 行動計画を実施・効果測定: 定期的に進捗状況を確認。
6. 認定申請: くるみん・トライくるみんは行動計画期間終了後、プラチナくるみんはそれらの認定後に申請。
7. 認定: 各マークが付与される。
各認定の基準:
それぞれ異なる9~11項目の認定基準があり、全てを満たす必要あり。従業員300人以下の企業には一部特例あり。
経過措置:
2025年4月の改正後、2年間は旧基準での申請が可能などの経過措置あり。
重要な視点:
くるみん認定は、単なる認定取得を目的とするのではなく、自社の課題に即した行動計画策定と雇用環境改善を通じて、働きやすい企業を目指すことが重要です。