この記事では、協会けんぽにおける社会保険の被扶養者の認定基準と手続きの流れを解説します。
扶養情報の確認が重要
被保険者から扶養追加の連絡があった際は、以下の情報を書面で確認しましょう。
- 扶養追加日と理由
- 扶養家族の氏名、電話番号(配偶者のみ)、生年月日、性別、続柄、同居の有無(別居の場合は住所、1回当たりの仕送り額や1年間の仕送り回数など)
- 扶養家族の職業と年間の見込み収入額
- 共同扶養の場合、配偶者の収入額
- マイナ保険証の利用可否
- 資格確認書の発行要否
年金事務所への届出には、扶養家族のマイナンバーがあるとスムーズです。
被扶養者の範囲と収入要件
被扶養者となるには、以下の両方を満たす必要があります。
- 被扶養者の範囲: 主に被保険者の収入で生計を維持する家族であること。

- 被扶養者の収入要件:
同居の場合: 年収130万円未満かつ被保険者の年収の1/2未満

別居の場合: 年収130万円未満かつ被保険者からの仕送り額より少ない
一時的な収入増加の場合は、証明書提出で認められることもあります(原則連続2回まで)。

必要書類の準備
以下の書類を被保険者から受け取ります。
- 続柄確認書類: 戸籍謄(抄)本または住民票の写し(発行から90日以内)
- 収入要件確認書類: 源泉徴収票、年金証書など
別居の場合は、仕送り額がわかる書類も必要です。
届出と認定
「健康保険 被扶養者(異動)届」を作成し、事実発生から5日以内に提出します。
参考:https://www.nenkin.go.jp/shinsei/kounen/tekiyo/hihokensha/20141224.files/01.pdf
- 提出先: 事務センターまたは年金事務所
- 添付書類: 上記の続柄・収入要件確認書類
一定の条件を満たす場合、続柄・収入要件確認書類の添付は不要です。
2024年12月より、届出書に「資格確認書発行要否」欄が新設されました。マイナ保険証を利用できない場合は、資格確認書が発行されます。しかし、チェックを入れない場合、発行までに30〜50日程度の期間を要するため、チェックを入れることをおすすめします。

認定後の流れ
- マイナ保険証利用可: 2~5営業日程度で利用可能。「資格情報のお知らせ」を被保険者に渡す。
- マイナ保険証利用不可: 「資格情報のお知らせ」と「資格確認書」を被保険者に渡す。
参考:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08277.html
まとめ
扶養手続きは、確認事項が多く、書類の準備も必要です。事前にしっかりと準備をして、スムーズな手続きを心がけましょう。労務担当者は、定期的な扶養状況の確認も重要です。