毎年恒例の「高年齢者雇用状況等報告書」と「障害者雇用状況報告書」の提出期限が迫っています。**2025年の提出期限は、いずれも7月15日(火)**です。
これらの報告書は、毎年6月1日時点での雇用状況を厚生労働大臣に報告することが法令で義務付けられています。提出された情報は、今後の雇用施策の検討や、ハローワークによる企業への指導・調査の基礎情報として活用されます。
高年齢者雇用状況等報告書について
この報告書は、すべての企業に提出義務があります。高年齢者の雇用がゼロの場合でも報告が必要です。本社で一括して作成・提出します。
【主な報告内容】
・定年制や継続雇用制度の状況
・70歳までの就業確保措置(創業支援等措置含む)の実施状況
・常用労働者数、過去1年間の離職者・定年到達者の状況
・高年齢者雇用等推進者の情報
【2025年の変更点と注意点】 2025年の様式に変更はありませんが、2025年4月1日より65歳までの雇用確保が完全義務化されたことに伴い、継続雇用制度を改定した企業は報告書の記載に注意が必要です。特に、経過措置を廃止し、2024年6月1日から2025年3月31日までの間に経過措置の基準適用年齢(64歳)に達した従業員がいる場合は、該当人数を所定欄に記載する必要があります。
障害者雇用状況報告書について
この報告書は、常時雇用する従業員が40.0人以上の企業に提出義務があります。障害を持つ従業員がゼロの場合でも報告が必要です。各事業所の状況を記載しますが、提出は本社で一括して行います。
【常用雇用労働者の定義】 正社員、契約社員、パート・アルバイト等の雇用形態にかかわらず、以下の両方を満たす従業員です(雇用期間の定めがないか1年以上雇用されている、かつ週所定労働時間が20時間以上)。休業・休職中、外国人、65歳以上の従業員も含まれます(一部、除外率制度の適用あり)。
【主な報告内容】
・常用雇用労働者数(週30時間以上、週20時間以上30時間未満)
・身体障害者、知的障害者、精神障害者の数
・障害者の実雇用率
【注意点】 障害者の人数は、障害種別や程度、週所定労働時間(特定短時間労働者など)によってカウント方法が異なります。2025年の様式に変更はありません。
報告書の提出方法
提出は、電子申請、郵送、またはハローワーク窓口への持参が可能です。複数の事業所がある場合でも、本社で一括して提出します。
- 電子申請: 24時間いつでも提出可能で、業務効率化や経費削減に繋がります。
参考|厚生労働省『令和7年高年齢者・障害者雇用状況等報告の提出について』 - 郵送・窓口持参: 報告義務のある企業には、5月下旬〜6月初旬に厚生労働省(ハローワーク)から報告書が郵送されています。正副2枚を提出し、事業主控は保存してください。
まとめ
高年齢者雇用状況報告書は、提出を怠った場合の罰則は定められていませんが、すべての企業に報告義務があります。一方、障害者雇用状況報告書は、報告義務があるにもかかわらず怠ったり虚偽の報告をした場合、30万円以下の罰金が科される可能性があります。
いずれの報告書も、全事業所の状況確認と取りまとめには時間を要します。**提出期限である2025年7月15日(火)**に向けて、早めの準備を心がけましょう。